スプレッドシートで関数が扱えるようになると、使用用途が格段に増えます。今回は社会人としてだけでなく、個人のスキルアップとしても必ず身につけたい基本的な関数を解説したいと思います。
関数とは?数式や関数を扱う時のポイント
関数とは望む結果を効率的に計算してくれる数式のようなものです。 最初は少し難しく感じたりしてしまうかもしれませんが、使い慣れると多くの作業が関数なしには考えられなくなります。 目的地に向かうのにバスや電車、バイク、自転車など様々な交通手段があるのに似ています。 まずが簡単にポイントを確認しましょう。
- 関数とは望む結果を求めてくれる数式のようなもの
- 関数や数式を使いたいセルは『=』の後に入力する
- 数字は半角で打ち込まないと文字列と認識されてしまう
- 数式や関数を入れた後は、必ず確定のreturn(enter)キーを押す
- 範囲を選択する時はマウス操作で指定することも可能
数字を扱う関数
主に数値を扱う関数です。足し算、引き算、掛け算、割り算といった四則演算(加減乗除)に関しては下記の記事で解説していますので合わせて御覧ください。
SUM関数 数値を合計する
加減乗除の中で説明した足し算ですが、いくつもある項目をいちいち足していたのではキリがありません。そんな時に便利なのが範囲を指定して合計値を計算してくれるSUM関数です。
=SUM(範囲)
SUMIF関数 条件にあったものを合計する
指定した範囲の中から条件にあったものだけを合計してくれます。
=SUMIF(範囲, 条件, [合計範囲])
AVERAGE関数 平均値を求める
合計値とともによく利用するのが平均値です。
=AVARAGE(範囲)
MAX関数 最大値を求める
最大値を求めます。
上で説明したAVARAGE関数とともに使うことで、テストの平均点と最高点、最低点なんかを求める時に便利ですね。
=max(範囲)
MIN関数 最小値を求める
最小値を求めます。=min(範囲)
RANK関数 範囲内での順位を返す
得点数や売上数などのランキングを作りたい時に、範囲内で何番目に当たるのかを返してくれる関数です。
カウントする関数
COUNT関数 項目をカウントする
=count(範囲)
COUNTIF関数 条件に応じてカウントする
指定した範囲内で条件を満たすものだけカウントしたい時に使用します。
=countif(範囲,条件)
countif関数に関してはこちらの記事で詳しく解説しています。
複数条件に応じてカウントしたい場合はcountifs関数を使用します。
COUNTBLANK関数 空白のセルをカウントする
値の入っていない空白のセルの数をカウントしたい時に使用します。
=COUNTBLANK(範囲)
LEN関数 文字数をカウントする
文字数をカウントしたい時に使用します。
=LEN(範囲)
テキスト、文字列を扱う関数
TEXT関数 数値をテキストに変換
表示形式に従って、数値をテキストに変換する関数です。
シンプルだけど意外と使う関数
if関数
論理式を満たした時と、そうでない時で処理を分ける方法です。
=if(論理式,TRUE,FALSE)
ifs関数
複数の条件に応じて処理を分けたい時にはifs関数を使います。
ROUND関数(四捨五入)
指定した数値を四捨五入する関数です。
=ROUND(数値,桁数)
ROW関数 行数を返す
入力したセルの行番号を表示する。
=ROW()
COLUMN関数 列数を返す
=COLUMN()
表の行や列に連番を振りたい時にとても便利です。
IFERROR関数(エラーが起きた時の表示)
エラーが起きたに返す値を指定できます。
スプレッドシートを共有した時などに、慣れていない人にとってはエラーメッセージって怖いですよね。
エラーメッセージをわかりやすくしてあげることは思いやりの一種だと思います。
=iferror()
範囲内から検索条件で値を返す関数
製品IDからスペックの一部を表示させたり、社員番号から連絡先を表示させたりといった用途で役に立ちます。
VLOOKUP関数
VLOOKUPのVはVertical(垂直、縦方向)から来ています。 表から縦方向に検索値を探し、対応した列の値を返す関数です。
=VLOOKUP(検索値,範囲,列,データの型)
HLOOKUP関数
HLOOKUPのHはHorizon(水平、横方向)から来ています。 表から縦方向に検索値を探し、対応した列の値を返す関数です。
=HLOOKUP(検索値,範囲,行,データの型)
VLOOKUP関数に関しては上で紹介した『ifferror関数』と一緒に、プルダウンを連動させるという記事で使用していますので、具体的なイメージを掴みたい場合は合わせてお読みください。
INDEX関数
範囲内から行と列を指定することで値を取り出せる関数です。
=INDEX(参照, [行], [列])
MATCH関数
検索した値の相対的な位置を返してくれる関数です。
=MATCH(検索キー, 範囲, 検索の種類)
INDEX関数とMATCH関数を組み合わせることでVLOOKUP関数やHLOOKUP関数で行うのと似たようなことができます。
Googleの提供している関数
GOOGLETRANSLATE 翻訳
テキストを指定してソース言語からターゲット言語に翻訳してくれるグーグルの関数です。
=GOOGLETRANSLATE(テキスト, [ソース言語, ターゲット言語]) テキストの部分は直接文字を打ち込んでもセルを指定してもOK。 ソース言語とターゲット言語は2文字の言語コードで指定します。(例:英語はen、スペイン語はes等) ソース言語はautoと入れることで自動判別することも可能です。
GOOGLEFINANCE 金融データ
GOOGLEFINANCE関数は為替や株価など金融データを提供してくれるグーグル独自の関数です。
=googlefinance()
下記の記事でも紹介していますが、googlefinance関数は取得できるデータがとにかく豊富なのが魅力です。
IMPORTXML関数 XMLの読み込み
IMPORTXML関数はXMLを読み込むのに使用します。XPATHと組み合わせることでスクレイピングも可能です。
QUERY関数 データを抽出して出力
様々な条件でデータを抽出したり並べ替えたりして出力することができるとても便利な関数です。
IMPORTRANGE関数 他のシートを読み込む
IMPORTRANGE関数は他のスプレッドシートを読み込める関数です。元のデータが編集された際に自動的に更新されるため、他人の作ったデータを参照するなど共同作業で活躍する関数です。
=IMPORTRANGE(“スプレッドシートのURL”, “シート名!範囲の文字列”)
ARRAYFORMULA関数 繰り返す処理を一回で
>ARRAYFORMULA関数は、同じような処理を繰り返したい時にセルの数だけ入力するのではなく、たった一行で済ますことができます。作業効率をあげ、スプレッドシートの負荷を下げることができる便利な関数なので、適時使えるようにしたいですね。
=ARRAYFORMULA(配列数式)
まとめ
覚えておくと便利なスプレッドシートの関数について解説してきました。今回紹介したものを覚えていれば基本的なことには対応できると思います。
スプレッドシートの使い方については下記の記事でまとめていますので併せてお読みください。